OTゼロトラスト

OTゼロトラストとは

必要な人が、必要な装置へ、必要な時だけ接続する。

工場のリモートアクセスを、ユーザ・装置・時間・承認・監査証跡に基づいて最小権限で制御する考え方です。VPNや常時接続に依存しないOT向けアクセス管理を実現します。

ID確認
ユーザを確認する

社内ユーザも外部ベンダーも確認されたIDに基づいてアクセスを許可

最小権限
アクセス範囲を限定

ネットワーク全体ではなく必要な装置・システムだけに接続

完全な証跡
証跡を残す

誰が・いつ・どの装置に接続したかを監査できる状態にする

問題提起

OT環境では「一度入れたら信頼する」は通用しません

従来のリモートアクセスでは、VPNなどを使ってネットワークの内側に入ることが中心でした。しかしOT環境では、一度ネットワークに入った後のアクセス範囲が広がりすぎることが問題になります。

保全担当者がPLCへ接続する、装置メーカーが顧客先設備を遠隔診断する、SIerがHMIやSCADAの設定を変更する、緊急時に外部ベンダーがトラブルシューティングする。こうした接続をすべて同じVPNや個別アカウントで扱うと、誰が何にアクセスできるのか、どの権限が残っているのか、どこまで作業したのかが見えにくくなります。

OTゼロトラストでは、アクセスを「ネットワーク単位」ではなく、ユーザ・装置・時間・目的・証跡で管理します。

IT vs OT

ITの考え方をそのまま持ち込むだけでは不十分です

観点
IT向けゼロトラスト
OTゼロトラスト
主な対象
ユーザ、端末、業務アプリ、クラウド
PLC、HMI、SCADA、産業機器、制御ネットワーク
最優先事項
情報資産の保護
安全性、可用性、生産継続、設備保護
ユーザ
社員中心
社員、保全、装置メーカー、外部ベンダー
運用上の制約
端末管理やID管理を適用しやすい
レガシー機器、停止不可設備、現場承認が必要
必要な証跡
ログイン、操作、データアクセス
接続先装置、作業時間、セッション、承認履歴
失敗時の影響
情報漏えい、業務停止
生産停止、品質問題、安全リスク、復旧遅延

OTゼロトラストは単なる認証強化ではありません。
工場の稼働を止めずにアクセスを最小化し証明できる状態にする運用モデルです。

5つの原則

OTリモートアクセスで実践すべき5つの原則

原則 01

すべてのユーザを確認する

社内ユーザだけでなく外部ベンダー、装置メーカー、保守会社も確認されたIDで管理。共有IDや長期アカウントを減らし、個人単位で把握できる状態にします。

原則 02

最小権限で接続する

「ネットワーク全体に入れる」のではなく、必要な装置、必要なプロトコル、必要な作業範囲だけにアクセスを限定します。

原則 03

必要な時だけ接続する

常時接続ではなくオンデマンドまたはスケジュール接続。作業が終わったらアクセスを閉じ不要な権限を残しません。

原則 04

セッションを監視・記録する

接続中に何が行われたかを確認できるようにし、作業後に監査やトラブル確認へ使える証跡を残します。

原則 05

ITとOTで共通の運用にする

ITは認証・セキュリティ・監査を担い、OTは設備・可用性・現場運用を担う。共同ガバナンスで部門間の摩擦を抑えます。

比較

従来型リモートアクセスとOTゼロトラストの違い

項目
従来型リモートアクセス
OTゼロトラスト
信頼の考え方
VPN内に入れば信頼しがち
毎回ユーザ・目的・装置を確認
アクセス範囲
ネットワーク単位で広がりやすい
装置・ユーザ・時間単位で限定
外部ベンダー
ベンダーごとに個別管理
共通ルールで管理
接続時間
長期・常時接続になりがち
必要な時だけ接続
認証情報
共有IDや長期アカウントが残りやすい
ライフサイクル管理を徹底
ログ
ツールごとに分散
セッション単位で監査可能にする
監査対応
後から証跡を集める
通常運用の中で証跡を残す
現場運用
例外対応になりやすい
標準化されたワークフローで運用

Secomeaの実現力

OTゼロトラストをリモートアクセス運用に組み込む

OTゼロトラストは単なるセキュリティ方針ではありません。実際のリモートアクセス運用の中でユーザ確認、権限制御、承認、セッション管理、証跡化を実行できる必要があります。

Secomea は、OT環境向けのセキュアリモートアクセス基盤として、ID管理、セッション制御、監査対応を設計段階から組み込んだプラットフォームを提供します。

IDベースのアクセス管理

社内ユーザ、外部ベンダー、装置メーカーをIDに基づいて管理。MFA、SSO、Azure AD/Okta連携に対応。

装置単位のアクセス制御

ネットワーク全体ではなく必要なPLC、HMI、SCADA、産業機器に限定して接続。

承認ベースの接続

工場側が許可したアクセスだけを成立させるRequest for Access機能。

時間制限付きアクセス

作業に必要な時間だけ接続を許可。オンデマンド接続とスケジュール接続に対応。

セッション可視性と監査証跡

誰が、いつ、どの装置にアクセスしたかを記録。セッション録画にも対応。

IT/OT共同運用

IT部門のセキュリティ要件とOT部門の現場運用要件を両立するガバナンスモデル。

導入の進め方

OTゼロトラストは段階的に始められます

すべてを一度に変える必要はありません。重要設備、主要ベンダー、高リスク接続から着手します。

STEP 01

現状を把握する

VPN、OEMツール、PAM、個別アカウントなど現在のアクセス経路を洗い出し、誰が何にアクセスしているかを整理します。

STEP 02

重要設備から最小権限化する

重要ライン、主要ベンダー、高リスク接続から着手。承認・時間制限・ログを標準化します。

STEP 03

IT/OT共同ガバナンスに組み込む

セキュリティ、現場運用、監査対応を同じ運用モデルに組み込み、段階的に拠点・ベンダーへ展開します。

FAQ

よくあるご質問

OTゼロトラストとは何ですか?

OTゼロトラストとは、工場や産業機器へのアクセスを、ユーザ、装置、時間、承認、証跡に基づいて最小権限で制御する考え方です。「ネットワークの内側なら信頼する」のではなく、アクセスのたびに条件を確認します。

IT向けゼロトラストと何が違いますか?

IT向けゼロトラストは主にユーザ、端末、業務アプリ、クラウドを対象にします。OTゼロトラストはPLC、HMI、SCADA、産業機器、外部ベンダー、レガシー設備、現場承認、稼働継続を前提にした設計が必要です。

VPNを使っていてもゼロトラストは実現できますか?

VPNだけでは、接続後の装置単位の制御、時間制限、承認、セッション証跡が不足する場合があります。OTゼロトラストでは、ネットワーク接続ではなく、装置・ユーザ・時間・目的ごとにアクセスを制御することが重要です。詳細はVPN vs Secomeaページをご覧ください。

外部ベンダーにも適用できますか?

はい。むしろ外部ベンダーアクセスこそOTゼロトラストの重要な対象です。装置メーカーや保守会社に対して、承認制、時間制限、装置単位の権限、監査ログを適用します。詳細はベンダーアクセス管理ページをご覧ください。

すべてを一度に導入する必要がありますか?

いいえ。重要設備、主要ベンダー、高リスク接続から段階的に始めるのが現実的です。ゼロトラストの効果は原則を積み上げるほど安定した成果につながります。

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