ブログ
グローバル調査から見るOTリモートアクセス成熟度と日本企業への示唆
Blog
2026年5月7日
2026年、産業用OTリモートアクセスは転換点を迎えています。世界の製造業・重要インフラは、より標準化された、ID中心で監査可能なリモートアクセスモデルへと移行しつつあります。ただし、組織が認識している統制の水準と、実際に証跡で示せる統制とのあいだには開きがあります。
Secomeaが製造業・重要インフラ分野のOT・IT・コンプライアンス・運用の責任者400名を対象に実施したグローバル調査では、リモートアクセスの統制に自信を持つ組織が多い一方で、ベンダーの活動やセッションを実際に確認・監査できる組織は限られていました。
公開されている主な調査結果
調査の公開概要によると、ベンダーの活動が見えにくい環境や、アクセスの構成が分散した環境でも、リモートアクセスの統制への自信は一貫して高い水準でした。一方で、認識している統制と実際に示せる証跡との差が広がっていることが、次の3つの結果に表れています。
49%:3つ以上のリモートアクセスツールに依存
3つ以上のリモートアクセスツールに依存しているという回答は49%でした。56%:ベンダーの活動は部分的にしか把握できていない
ベンダーの活動を部分的にしか把握できていないという回答は56%でした。43%:ベンダーセッションを完全に監査できる
ベンダーセッションを完全に監査できるという回答は43%にとどまりました。
点検で押さえたい5つの領域
調査の公開概要は、ベンダーエコシステムの規模、ツールの分散、ガバナンスの体制とIT/OTの連携、認証情報の管理、ゼロトラストの成熟度を論点に挙げています。これを踏まえ、自社のリモートアクセスを点検する観点を次の5つに整理しました。
- ガバナンスの責任範囲:IT部門とOT部門のどちらがリモートアクセスの責任を持つか、またはどう共有するかが、統制の一貫性に直結します。
- ベンダーエコシステムの規模:外部ベンダーの数が増えるほど、アクセス経路・認証情報・ワークフローの管理は複雑になります。
- ID管理と認証情報ライフサイクル:認証情報を定期的にレビューし、休眠アカウントを排除できているかどうかが、リスク露出に影響します。
- セッション可視性と監査可能性:誰が、いつ、どの装置に、何をしたかを記録・確認できる体制があるかどうか。
- 統制をどれだけ一貫して運用に組み込めているか:ルールや仕組みが存在することと、それが日常運用で一貫して実行されることは別問題です。
日本の製造業が確認すべきポイント
自社のリモートアクセスについて、確認すべき点は次の5つです。
リモートアクセスの責任範囲は明確ですか?
情シスとOT部門の役割分担が曖昧な場合、統制の一貫性が損なわれます。ベンダーアクセスを一元的に把握できていますか?
装置メーカーごとに異なるOEMツールや個別アカウントが乱立していませんか?誰が・いつ・どの装置に・何をしたかを確認できますか?
セッションの可視性と監査証跡は、規制対応とリスク管理の基盤です。認証情報を定期的にレビューしていますか?
休眠アカウントや共有パスワードは、攻撃者にとって最も狙いやすい入口です。アクセス有効化のスピードと統制のバランスは取れていますか?
急ぎの対応でも、承認・期限・記録の手順を省かずにアクセスを有効化できる仕組みが必要です。
市場が向かう方向:統合型・ID中心のガバナンスへ
調査の公開概要では、業界が統合された、ID中心のリモートアクセスのガバナンスへ移りつつあることが示唆されています。
VPN・OEMツール・個別アカウントが並存する環境では、可視性・統制・監査対応のいずれにも限界があります。日本の製造業も、この移行の方向性を早期に把握し、自社の現在地を確認することが重要です。
2026年の産業リモートアクセス調査レポートでは、400名の回答データをもとに、ベンダーエコシステム、ツールの分散、ガバナンスの体制、ゼロトラストの成熟度と今後の方向性を分析しています。
無料レポート
産業リモートアクセスの現状 2026
400名グローバル調査で自社の成熟度を確認する
次に確認したい情報
NEXT STEP
導入に向けて、相談する
対象設備や運用上の課題についてお聞かせください。